2021年7月31日

アンダー〇〇の世界

U(アンダー)〇〇の世界

U15に引き続き県U13に今年も携わることになった。

この場合アンダー〇〇とは年齢のことを指すが世の中にはアンダーやオーバーなどの言葉があふれており,その住み分けをすることが多い。

ふと言葉の意味を考えていたときに

アンダーアチーバーとオーバーアチーバーという言葉が浮かんだ。

学校にはそんな基準で子どもたちの能力を測る仕組みがある。たしか,年度当初だろうか,学級開きとともに教室では学力テストと知能テストが行われ,その結果をもとにして能力を数値化する仕組みだ。テストをやる意義についての話は置いておくことにして,担任が学級を受け持つときの参考になる指標になっていることは確かである。

ここで注目したいのはそれぞれの児童生徒への対応だ。アンダーアチーバーとよばれる知能・能力が高いのにそれが実際の力に反映されていないケースには,その子の力を見いだすこと,オーバーアチーバーでは周囲の教育熱が強すぎることはないか,気をつけなくてはいけない。同じような環境の中でも子どもの捉えが違う場合,逆効果に転じる場合があることを忘れてはいけないだろう。

最近よく言われているのは,子どもの隠れた才能を伸ばす場面が必要という考えである。ともすれば大人にも同じことが言えるのかもしれない。教師の隠れた才能を見つけ出すことができれば,きっと現場はもっと活気づくのではないだろうか。

学校がめまぐるしく変化を遂げた現在では,以前よりも教師が本来の力を出し切ることができない時代になってきたように感じる。昔が良かったという結論に至るわけではないが,現代において大人も子どもも自分らしさを発見することが困難になったことは確かである。

今の教員は,仕事に対する情熱はあるはずだが,それを出し切れていないという点では,アンダーアチーバーでもあり,求められている仕事に対しては必要以上に努力して結果をだそうとしているオーバーアチーバーにも思えてくる。もちろん自分も例外でなく,環境の変化に対応するまでに右往左往している毎日だ。

何がアンダーで何がオーバーか?様々な見方があるので一概には言えないだろう。支離滅裂な考えにも聞こえてくるが,結局この指標はあくまでも処理能力のみをはかる知能テストとの関連にすぎない。現代に必要な能力が想像力,コミュニケーション能力のような数値ではかることができないようなものであれば,この指標を深く掘り下げる必要はないのだろう。でも,子どもだけでなく,育成したいという人や集団を考えた時に見るときに必要なことは,環境がアンダーアチーバーをつくっていないだろうかという視点である。

「君には隠された能力、秘められた力がある!」そんな言葉を言われるほうがいい人が案外いるのかもしれない。今後もこれを周囲と自分を考える時に考察する考えの一つにしていきたい。