今回の講習会は,コロナ禍における生徒・児童が感じる不安がテーマだった。冒頭では「休校中と学校再開後の子どもの変容について」問われ,恥ずかしながらそんなこと全く考えていなかった僕は,すぐにこの一ヶ月を振り返った。とにかく通常の授業へシフトすることしか考えず,日常を取り戻そうという気持ちでいっぱいだったのが本音である。今でもコロナに関する不安は現在進行形で,いつ児童生徒がコロナに感染するかわからないことは事実である。やもすれば休校になることも視野に入れながら綱渡りと手探りの生活を送っている。コロナへの不安が続いている点からも,子どもに直接与える影響についてはもっと長期的な見方が必要だと思う。
実際の現場では,子どもの心理的変化が見られたとしても,それらがコロナの因果関係があるのかは個人的には判断が難しいところだ。本当の変化はここからといったところだろうか。
とはいうものの,休校が開けてから一ヶ月経つ。生徒がきちんとスタートが切れているかを考える視点は確かに必要だった。今回の講習会はそれを振り返るよいきっかけになったと言えよう。
内容としては
■休校中子ども達は結局何をしていたのか
①全般
・家庭の力の差が浮き彫りになった点,ゲームの動画配信が静かなブーム,様々な工夫で友だちと会うなど
②不登校児童・生徒
・友だちと日中に連絡がとりやすくなった,休憩・休息の時間にとらえた子どもいた,安心感を得た生徒も,特に変わらない生活を送ったなど
■授業が再開されて
①全般
・小1と中1は苦しい。新しい授業形式に困惑。授業優先のカリキュラム編成。
②不登校
・来れるようになった生徒もいた。
■先行きの見えない点
①全般
・行事がなくなったことについて,部活がなくなったこと,慌てる大人をたくさん見た。政策の不透明さ,大人への不信,世界や社会が一変して変わることへワクワクしている子もいた。
②不登校
・あまり変わらない
終盤では,教員のストレスについてなど論点が変わるところもあったが,確かに教員のストレスがもたらす子どもへの影響もあるのかもしれない。講演者側はそれらも読み取っていたのだろう。
僕はは大丈夫だと思っていたらそれもまた怖いことだと反省した。