2009年8月29日

巨匠





「国立西洋美術館」ル・コルビュジエ

 説明不要かもしれません。唯一国内で存在する彼の作品だそうです。何度も訪れたことのある場所ですが、改めて建物を見に行きました。というかここがそんなすごい場所だという事は最近まで知らなかったんでね。

 コルビュジエ展は8月いっぱいで終了です。ぎりぎり間に合いました。展示物は初期構想の設計図とか来日した経緯とか、サヴォワ邸との対比があったり、初心者にも非常によい内容でした。まぁ作品自体はいつでも見れるのでよかったんだけどね。

 内部もすごい。写真撮影禁止なのが残念。じっくりみると確かに機能的で、どこを見ても本当にいい絵になる。「そこの角を曲がるとどうなってるんだろぉ~」みたいな感じでわくわくしながら歩くと、面白かった。特にスロープとかもなんというか、洗練された直線というか元祖ユニバーサルデザインという感じかな。つい立ち止まって眺めてしまった。とにかく見方が変わるとモノというものはよく見えてくる。
 確かにこういう建築は日本中探しても少ないだろう。彼の作品はモダニズム建築のお手本とも言われているようだが、そのお手本はまぎれもなく異彩を放っている。最近では維持費の問題から巨大コンクリート建築はほとんど造られなくなったし、東京都がこうしてきれいに保存しているという意味でも、確かに世界遺産指定にすべきものかもしれない。

 歴史的な事を言うと、実は戦後に松方氏のコレクションの一部はフランスの戦利品として没収されていたようです。それを取り戻すという意味でもフランスの巨匠を招いて美術館を建設するということは重要な意味を持っていました。彼が育てた日本人の弟子達もこの建築に携わった事で有名になったようですし、色々な意味で日本の現代建築史には外せない作品ですね。

うーん。建築は奥が深い。俺は建物の写真撮るのが好きなだけなんだけどねー。


 あとはサヴォワ邸とロンシャン。ぜったい見たい作品。お金貯めるぞー。